2011-06-10 韓国 「授業料値上げ」「就職難」「格差拡大」 からデモが発生
韓国の首都ソウルで数日間に渡り、デモが発生しているという。

参加しているのは若者が中心。



今回デモを起こした理由として、07年の大統領選で授業料半額政策を

打ち出したはずの李明博大統領が、半額どころか、どんどん値上げされ

ているという現実から、「公約を守っていない」 と訴え、退陣要求も出て

いるという。



報道内容からみてみると、今年の韓国における大学授業料の平均額は

国公立大で430万ウォン(約32万円)、私立大で約770万ウォン。

OECD諸国では米国に次いで高い水準だという。

過去5年間の上昇率も約30%で、これは物価全体の上昇率の約2倍

に達しているとも伝えた。



韓国朝鮮日報によると、学資ローンなどで返済不能に陥った多重債務

者の大学生が昨年は2万5千人と、この4年間で38倍になったという。

去年の大学卒業者が53万人というから、これは大変な数といえる。

所得格差の拡大もますます増加しているという。



韓国ではデモが頻繁に起こっているというのは有名。

世界中で韓国ときて、すぐ思い浮かぶのが 「デモ大国」 と答える国も

多い。

しかも今回のデモは12日間連続。

それでも今のところ日本ではTV報道されていない。



また大統領の退陣要求についても、参加している若者の気持ちは察す

るが、国の法律で5年間は任期を全うできるのだから、ムリな要求だ。

日本の総理大臣のように、途中で退陣することはできないのである。

先日のブログで書いた通りだ。

韓国の次期大統領選挙は2012年12月に行われる。

だからそれまでは今の経済大統領で我慢するしかない。



国内経済の再生を謳って就任した李大統領であるが、就任から3カ月後

に起こった米国産輸入牛肉問題で、支持率が一気に10%台に下落。

これは国内農家からの反発もあったのだが、もう一つの理由もあったと

思われる。

韓国政府は生後30カ月未満の牛肉だけの輸入を認めたのだが、

日本ではもっと若い牛で、生後20カ月未満の輸入が認められた

ことである。

こういった日本との差別について、国民感情が爆発したと思われる。



韓国は08年9月に純債務国に転落したが、09年9月には1年ぶりに

債権国に復帰した。

これは自分達の努力だけでなく、日本や米国、中国からの経済援助が

功を奏したからだといえる。

しかし今年は再び、経済的な試練が訪れるだろう。

欧米や中国の経済が徐々に悪化することや、円高ウォン安が進むことか

ら、貿易や返済額が膨らんでくるからだ。



97年のアジア通貨危機は、当時の急激な円高が原因のひとつだった。

今回の韓国銀行の利上げについても、インフレ抑制という理由もあるが、

急激な円高を少しでも阻止したいという思惑もあるだろう。




 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者


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