ギャンブル教育‼️が、間に合わなかった‼️


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文科省がとうとうギャンブル依存教育の検討着手
2015年04月23日 10:59 社会コスト
昨日の国会において、我が国のギャンブル依存症対策に関して非常に大きな第一歩が踏み出されました。以下、ちょっと長いですが昨日の衆院文科委員会の初鹿明博議員(維新の党)による質疑の文字起こしです。


衆院インターネット審議中継
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=44735&media_type=wb

初鹿議員:
依存症の対策についてお伺いいたします。いま、統合型施設、いわゆるIR法案が審議に入るか入らないかということで、それに対してカジノが解禁をされて、反対をする人達は依存症が増えるのではないかという指摘がされているわけです。

ただ、私はこの指摘自体は正しくないんだと思います。それよりも寧ろ、我が国は今、駅を降りたら誰でも歩いて行けるところにギャンブル場があるんですよ。国はギャンブルと認めてませんが、パチンコ屋さんがどこにでもあります。そして現状、パチンコの依存症になっていて、いろんな問題を起こしていることも実際にあります。

パチンコだけじゃありません。公営競技の名の下に、競輪、競馬、競艇、誰でも入りやすい、しかもテレビでCMまでやっている。そして、子供まで連れて行ける。しかも未成年者が排除をされていなくて、パチンコ屋さんだって未成年者で入って、やっている人が実際に居る。こういう状況にあって、それが野放図にされていて、依存症になった人たちの対策がされているかというと、それは全くされていない中でカジノが出来たからといって特別に急に依存症が増えるということはなくて、寧ろ今いる依存症の人達に対してしっかりした対策を取る事の方が最優先ではないかなと思っているんですね。

厚生労働省の研究班の調査によりますと、病的ギャンブラー、依存症にあたる人というのは、全国で536万人居るという事なんですよ。男性は8.7%で、女性は1.8%で成人人口の4.8%くらいになるんですが、これは海外と比べると非常に高いんですね。アメリカで1.58%なんですよ。香港で1.8%、韓国で0.8%、最近カジノを解禁したシンガポールでは0.7%というように、日本が非常に高くてですね、これは調査の仕方によって数字は変わってくるという事もありますが、要は何が言いたいかというと、日本は依存症の対策をきちんと取ってこなかった。特に予防について殆どやってこなかったという事に、私は一つの原因があるのではないかなと思うんです。

そこで提案なんですけど、今文科省として薬物については、薬物乱用防止教室というのを小学校の高学年、中学生、高校生、年に一回特別な授業として行っています。これは私は一定の効果があると思います。実は私もライオンズクラブに入っておりまして、薬物乱用防止教育の講師の資格を持っているので、これまで何十回も学校に行って講師をやってきましたので、子供たちの関心や、それによる意識の変化なども実際に見て来て効果があると思っています。ですので、ギャンブル依存についても、小学校、中学校…ま、小学校が早いかどうかの議論はありますが、中学校、高校では是非年に一回教室をやって貰いたいと思うんですよ。

薬物だとかアルコールの依存というのはモノに対する依存なんですけれども、ギャンブル依存というのは行為に対する依存、行動依存だとか、プロセス依存と言われていて、スマフォに対する依存だとか、ゲーム依存と同じ種類の依存なわけです。スマフォ依存というのは大問題となっているじゃないですか。あとゲーム依存も問題になっていますよね。そういうゲームやスマフォも併せて、行為依存自体に対する教育というのが、あって良いんじゃないかなと思うんですよ。

これはやっちゃいけないものではないじゃないですか。ゲームにしても、スマフォにしても、ギャンブルにしても、キチンとお小遣いの範囲でやれていれば、悪い事ではないと思うんです。それが病気になってしまって、依存所になってしまうと大変だという事なので、まず病気になる可能性があるということなどをキチンと知識として持ってもらうというのは必要だと思いますので、依存症に対する教育をこれから進めていって頂きたいと思いますが、ご見解をお願いします。

丹羽副大臣:
先生のご質問の配布された資料を見させて頂きますと、特に最近は若い子たちのギャンブル依存も増えて来ておりまして、現在、学校教育において保健体育の時間を通して欲求やストレスの及ぼす影響や、適切な対処が必要なことについて理解し、自分にあった対処法を身に付けられるようにすること、さらには道徳の時間などを通しまして、衝動にかられた行動に陥ることなく、望ましい生活習慣を身に付け、自分自身の生活を豊かなものにしてゆけるようにすること、また家庭科の時間などを通じて適切な意思決定に基づいた消費行動が出来るようにすることなどを指導させて頂いております。

先ほど先生の質問などにございました、行為依存というのは薬物とは違って、自分の身の処し方一つによって、また学習の中身によって対応することも可能かなと思っておりますので、今後ともしっかりと検討をしていきたいと思います。

[中略]

初鹿議員:
この資料にもありますように、10代から20代前半でギャンブルを始める人が多いわけです。この原因として高校を卒業して、大学、専門学校等に行って、アルバイトを始める。自分で使えるお金が出て来たころくらいから、親のお小遣いをもらっている時と意識が変わって、使い始めるようになるのかなと思うんですよ。特に大学生などで、東京や都市部の方に大学に入る為に上京したりして来て、一人暮らしを始めて、親から離れた開放感や不安などもあって、そういうところに通うようになって、結果としてどんどんハマっていくということがあるんじゃないかと思います。

私も大学生の時に、友人の一人が授業料をパチンコに使って無くなってしまって、そういうのを繰り返した結果、結局中退をしたという友達がいました。当時、私の学校、国立大学は現金で授業料を窓口に収めていた時代でして、現金を貰うからそれを使っちゃうと。依存症になるとそういう見境が無くなってしまうものなのですね。

ですので、特に小、中、高校もそうなんですが、大学に入った年にですね、新入生に対して依存症の教育というのはキチンとやっておく必要があるんじゃないかと、非常に強く思うんです。大臣、どう思いますか?

下村大臣:
それは仰る通りだと思います。今後、今国会で議員立法でIR法案を審議になるのではないかと思いますが、その中で依存症問題というのは、同時に議論されるということの中で、ご指摘のように昨日今日の話ではなくて、我が国ではいろんな環境の中であるわけでありますけども、子供の頃からしっかりとしたギャンブル依存症についての学習、勉強する機会を設けるという事は重要なことだと思いますので、何らかの子供の教育の発達段階において適時、適切な社会の変化に対応した学習をしっかり身に付けるということは学校教育の中でも必要な事だと思います。検討したいと思います。


思い起こせば、私がtwitter内(@takashikiso)での論議から、「義務教育の中にギャンブル依存症教育を」と主張し始めたのが2011年5月の事。当時は国内でそのような主張を行っている人間はほぼ存在していなかったワケですが、公向けのシンポジウム、役所や議員との面談など所構わず、4年間にわたってアチコチに火を付けまくって来たのが実態です。そのような主張がじわじわと拡散し、いよいよ文科省にまで届いたというのは、私としては非常に感慨深いと言えます。


【参照】義務教育の中に賭博教育を(2011年5月31日)
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/4902320.html


ちなみに、このような依存症教育に関する動きは国レベルのモノだけではなく、実は先日、面談を行ったカジノ導入を検討している某都道府県の担当者様からは、国の動きとは別として、自治体として「生活」の授業の中で対応が出来ないか検討を行いたいとのご報告も頂いております。このような動きは、国、自治体を含めて確実に広がりを見せている状況です。

一方、私自身が主張しているギャンブル依存症対策は教育の拡充のみによるものではなく、1) 予防教育、2) 早期発見、3) 治療/回復体制の拡充などが連動した、包括的な依存症対策であります。なかでも次のアクションの「鍵」となるのは、国民の「心のケア」に当たる専門職である「心理職」の拡充であり、昨年の衆院の解散に伴って廃案になってしまった国家資格制度の創出なのではないかなと思っておるところ。

こちらに関しても、微力ながら引き続き出来る限りの形で推進支援をしてゆきたいと考えているところです。


【参照】有るべきギャンブル依存症対策の形
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/8709670.html





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