例えば、ルーキーアドバンスドで一番人気(平均観客人数が一番多い)のオグデン・ラプターズは、ドジャース傘下で、1試合平均3,461人(31試合)もの観客を集めています。ホームタウンは、ユタ州オグデン、広さ69km^2、人口わずか8万2千人の町です。日本でいうとだいたい東京都あきる野市(73km^2、人口8万人)くらいですね。マイナーリーグのチームも多くは、ラプターズのように人口5~30万人規模の町で、表で示したような観客を動員しています。

 もっとも驚くべきはシングルAのデイトン・ドラゴンズでしょう。チケットの連続売り切れ記録815試合連続を2011年に達成し、完売記録は現在も継続中、来年の初頭には1000試合連続完売の記録が確実視されています。(2000年から連続。参考サイト)。ホーム球場は座席7,230席に、おそらく芝生エリアが1000席程度で、2013年は1試合平均平均8,421人を動員しています。ホームタウンのデイトンの人口14万1千人という決して大きくない人口規模を考えると驚異的な数字ですね。すごいなドラゴンズ。どうやったんだ?ちなみに、順位の推移を確認するとあまり強くないようです。

 このように、1シーズン通して平均数千人の観客動員を記録しているチームがごろごろしています。

 チケットの価格は、概ね10~20ドルです。先に挙げたラプターズは内野席が12ドル、外野の自由席が5ドル、ドラゴンズは内野が18ドル、外野13ドルがでした。シーズンシートも販売されていて、ドラゴンズの場合、全試合に行くのであれば、概ね20~25%ほど安くなるようです。

 ファンサービスも充実しています。試合中に花火が打ち上げられたり、マスコットのショーがあったりで、なかなかにぎやかなようですね。

 いち野球ファンとして、これだけ野球に人が集まるというのは羨ましく思います。独立採算であるため、経営努力の結果として集客があるというのは最もな理由の一つでしょう。ただ、デイトンのように、レベルが低かろうが客が入るというのは、いわゆる「地域に根付いている」という状態なのでしょうね。観戦に行く事が、ただの娯楽や時間つぶしの枠を超えて、地域の住民としての矜持やアイデンティティに昇華しているのではないかと思います。国内トップリーグならまだそれも理解できるのですが、4部相当のリーグのチームということに驚きを隠せません。社会学としても、社会関係資本(Social Capital)の観点から、デイトンを見ると面白いかもしれません。

 日本でも、2軍のプロモーションはどんどんやって欲しいと思いますね。各球団その気になれば、それなりな事業になると思うのですが…。地域の独立リーグの様子を見ていると難しそうですね。やはり、日本では報道に乗る一軍戦でしか、ビジネスは無理なのでしょうか?

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