社会保障は一般財源で補うべき~「消費税こそ我が命」ではダメ

外国でも、イギリスとドイツの例は有名ですが、世界20ヵ国くらいで一時的に減税を実施しています。この面でも日本は遅れています。特にイギリスは、日本で言うGo To キャンペーンのような宿泊、飲食、娯楽についての付加価値税、消費税に相当する税金を20%から5%にまで落としているのです。

飯田)15%減税ということですか。すごいですね。

本田)半年間ですけれどね。あの財政規律に厳しい、財政均衡主義のドイツでさえ、本則を19%から16%に落としているのです。そして軽減税率は7%から5%に落としています。ですから、いまの世界危機に対応するためには、弾力的にこういうものを考えなくてはいけないと思うのです。岸田政調会長は、社会保障財源は大事だとおっしゃいます。その通りです。しかし、社会保障はやはり一般財源で補うべきであって、「消費税こそ我が命」ではダメなのです。消費税は日本を代表する税金に育って来ましたから、一般財源化するべきであって、法律上は目的税化、社会保障のために使うとなっていますが、そもそも立て付けに問題がある。消費税については、もっと弾力的に使い道を考えるべきだと思います。


【新型コロナ 帰宅ラッシュ】家路を急ぐ人たちなどで込み合う新宿駅周辺=2020年6月24日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社
一時的に消費減税をしなければ日本は衰退の道に陥る~原点に戻り5%に

本田)一時的に減税をしないと、日本は衰退の道に陥ってしまう可能性があって、やはり経済政策の究極の目的は経世済民です。「世を治め民を助ける」というのが最終目的ですので、厳しいときには一時減税をやるべきだという気がします。ですから、経済が安定して、国民の将来が明るくなるまでは5%に減税して、経済が安定したら直ちに10%に戻すということをやらないと、国民の理解を得られないのではないでしょうか。

飯田)一部には8%に戻すという人もいますが、8%では足りないですか?

本田)8%では足りないですね。というのは、軽減税率はすでに8%になっています。軽減税率以外のものを2%下げて、軽減税率となっている食料品は下げないということになりますので、どちらかというと高所得者に有利な減税になってしまいます。ですから、今回はアベノミクスの原点、アベノミクスが始まったときは5%ですので、原点に1度帰ってみる。そこから経済の状況に応じて、安定して来たら、失業率や物価上昇率、経済成長率などを見ながら元に戻して行くということが大事です。仮に半年など、時間を区切って元に戻してしまうと、半年後に増税があるのだろうと皆さん予想してしまうのですね。そうすると、せっかく消費税を減税しても、消費しなくなってしまう。

飯田)貯金に回ってしまうのですね。

本田)ですから、みんなが消費をしてくれたら、将来が必ず明るくなり、明るくなったら増税をしても耐えられるでしょうと。それまではできるだけ貯蓄は少なく、消費に回るという仕組みをつくる必要がありますね。

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